
相続税や贈与税を計算する場合の土地の評価額は、固定資産税の課税明細書に記載されている金額でよいのでしょうか。
相続税や贈与税を計算する場合の土地の評価額は、毎年市町村から送られてくる固定資産税の課税明細書に記載されている金額でよいのでしょうか?
不動産を所有されている方であれば、毎年目にする固定資産税の課税通知書に記載された固定資産税評価額が一般的だと思いますが、相続税や贈与税を計算する上での土地の評価額は、固定資産税評価額ではなく相続税評価額にて計算します。
固定資産税評価額とは、固定資産税を課するためにその不動産の所在地の市町村長が決定する評価額です。
一方、相続税評価額とは、相続税や贈与税などを課するための価額で、国税庁長官が各地域別に定める路線価や倍率(基準となる土地の価額や指標)を使用し、一定のルール(財産評価基本通達)に則って、納税者が計算する評価額です。
課税の目的が異なりますので、固定資産税評価額=相続税評価額ではありません。一般的には、固定資産税評価額は時価の70%程度の評価であり、相続税評価額は時価の80%の評価額であるといわれています。
従って、「固定資産税評価額÷70%×80%(=固定資産税評価額×1.14)」という算式から、参考程度ですが相続税評価額の概算額を求めることが可能です。
土地の相続税評価額の計算方法には、2通りあります。1つは路線価方式、もう1つは倍率方式です。土地の所在場所によって、どちらの方法を用いて計算するのか決められています。
- 路線価方式とは
その土地の面している道路に付されている路線価に地積を乗じて評価額を求めます。ただし、路線価には土地の形状等は加味されていないため、間口が狭い、奥行きが長い、形がいびつであるなど個々の土地の形状に応じて、補正率といわれる係数を乗じることにより、数%から数十%評価額を減額します。
従って、同じ道路沿いにある土地であっても、その形状等により大きく評価額が異なります。
- 倍率方式とは
固定資産税評価額に地目別の評価倍率を乗じて評価額を求めます。路線価が付されていない地域にある土地は、倍率方式により計算します。
土地の評価額については、上記2.により算定しますが、その土地の利用方法等により評価額が減額される場合があります。
例えば次のようなケースです。
- 土地を第三者に貸している
- 貸アパートの敷地になっている
- その土地を自宅の敷地や事業用として使用している(相続の場合に限ります。)
土地の評価については、1つ1つの土地について個別に判断を要し、またその判断によって評価額が大きく異なります。算定に当たっては、幣事務所へご相談ください。
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